20日、9月県議会定例会が開会しました。知事は、4年の任期を振り返り所信を表明。台風災害、新型コロナ、2度にわたる地震被害などをあげ、今後多くの困難はあるとしながら復興と地方創生は進んでいるとした。新型コロナ感染対策では、感染対策と地域経済再生は必要で、第6波まで行われた飲食店や個人事業主への支援が必要だ。ALPS処理水の海洋放出は、施設建設の事前了解をおこない、事実上海洋放出を認め、風評対策は求めるものの、県内では県漁連が反対し7割の市町村が反対・慎重の意見書をあげていることには触れていない。宮城県が「海洋放出反対」を打ち出したこととは対照的だ。産業政策では、水素関連技術の活用をうたい全国初の水素社会実装を開始するとしているが、水素はグリーン水素でなければ意味がなく、現時点では石炭など化石由来の水素利用も想定されている。また、地元企業支援の施策が述べられていない。農業政策は、「ふくしまブランド」力向上だけでなく、食料自給率向上のためにも生産力向上、自然災害から農家経営を守る取り組みが必要と感じた。県民目線の県政が求められる。
福島県畜産関係団体連絡協議会が、控室を訪れ、「畜産振興に関する要望」をおこなった。要望書は、「配合飼料価格安定制度の見直し及び県独自の支援」「堆肥等の流通対策及び時給肥料生産基盤強化対策」などを求めている。原発事故の影響はいまだに続いており、牛肉に対する風評は根強く、放射性物質の海洋放出によって、新たな風評を招き苦境に陥る恐れがあるとし、生産者の将来不安を払拭して安心して継続できる畜産経営を求めている。当然のことである。