福島医療生協の「ALPS処理水海洋放出に反対表明を求める署名」2500人分提出と汚染水学習会

9日、福島医療生協が汚染水の海洋放出に内堀知事に反対を表明してほしいとの署名を2500人分提出しました。伊藤原安課課長が受け取りました。

県は、「放出の先送りはできない」とする国と東京電力の姿勢に同調することなく、国と東京電力が地元住民や漁業者、関係者の気持ちを受け止め信頼関係を構築するよう働きかけてください。現状でのALPS処理水の海洋放出には反対であることを表明してください。という要請事項の署名。

申し入れに先立ち、福島医療生協理事長の斎藤紀先生からトリチウムについての話を聞きました

「汚染水問題は、漁業者にとって生業がどうなるか大きな懸念材料として存在している。タンクに存在するトリチウム+62核種の放出に直面せざるを得ない状況。方針決定後も、拙速に海洋放出はしないでほしいと、多くの自治体(議会)が反対や懸念を表明している。
医療生協は、長年「いのちと健康、食の安全」を重視して、活動に取り組んできた組織。その立場で考えるし、住民に寄り添う。集まった署名は、住民の思いだ、意をくんでもらいたい。県は県民と国・東電との信頼関係の構築の道を探ってほしい」と述べました。また、「トリチウムは体内にも、大気中にも存在することは事実」とした上で、通常の原子炉からもトリチウムは放出されているが、トリチウムだけが問題なのではなく、福島原発は事故炉であり、基準値以下であっても、62核種を希釈して30~40年海洋に放出するという、特殊な事例であること。希釈されても放出する全量は変わらない」

「未来の子どもたちの海洋をどう守るか。汚染水を増やさないための対策、つまり地下水をまず止めること、ここは皆が異論はないはず」として、ここに力を注ぐべきと訴えました。

「アルプス処理水」に関するチラシの配布中止と国への抗議を求める申し入れ

4日、復興庁と資源エネルギー庁が作成したチラシ「ALPS処理水について散ってほしい3つのこと」、「復興の後押しはまず散ることから」が、県教育委員会及び市町村教育委員会を飛び越えて、県内各小学校に直接届けらていることが明らかになった問題で、内堀知事と鈴木教育長に配布中止と国への抗議を求め、申し入れを行いました。義務教育課長が対応しました。

チラシは、福島第一原発のALPS処理水は飲んでも安全だとし、海に流すことが当然かのように主張しています。しかし、処理水の処分方法については、漁業者をはじめ多くの県民が反対し、各地方議会でも反対、慎重を求める意見書が採択され、海洋放出は認められないとの大きな世論があります。また「関係者の理解なくしていかなる処分も行わない」との国・東電が交わした約束を反故にするものです。

これほど大きな意見の違いがあるものを、一方的に子供たちに押し付けることは、教育の中立性を侵すものであり許せません。また配布の方法も県や市町村教育委員会を飛び越えて行うなど許せるものではありません。

件と県教育委員会は、毅然とした対応が求められます。