「原発事故から7年目-福島は今」日本共産党がシンポジウム

10日、日本共産党福島県委員会が主催する、原発ゼロをめざすシンポジウム「原発事故から7年目―福島は今」が行われました。パネリストは南相馬市小高区在住の吉田さん、前橋市に避難し裁判でたたかう丹治さん、スーパー店主服部さん、果樹農家安倍さん、3児のママ保住さん、日本共産党参議院議員岩渕友さん、コーディネーターは県議団長神山悦子さん。

吉田さんは、事故後の避難は11回の引っ越し、避難解除で小高に戻ったが農業は、高齢化で後継者が心配。国は被災者に寄り添うというが信用できない。

丹治さんは、前橋に避難し6年、やむにやまれず避難し、身内の自死にも見舞われた。自主避難者切り捨ては許さない。前橋地裁判決は国、東電の責任を認めた。

服部さんはスーパーの売り上げは、震災前の9割、さらに賠償打ち切りに、民商の仲間とともに東電に請求し認めさせた。たたかってこそ活路開ける。

阿部さんは、果樹農家、今も風評被害で苦しんでいる。除染されない農地が残される。農地一筆ごとの線量マップが必要。

保住さんは、事故当時おなかの中に次女がいた。子供だけを避難させた。放射能の学習にも取り組んだ。無用な被ばくを避けること。原発さえなければ、失うことがなかった日常があった。

岩渕参院議員は、議員になり原発事故など20回の質問。福島切り捨てが表れている。①避難指示解除が次々進む②特措法にも表れる東電の責任免除③自主避難者への住宅無償提供の打ち切りなど発言。

日本共産党福島県議団の福島第1原発、第2原発視察

8日、日本共産党福島県議団の福島第1原発、第2原発視察。県議団、事務局、市町村議員、県内の衆院小選挙区予定候補者、保団連の医師など総勢20名。

第1原発は、構内をバスの中から視察。事故を起こした1号機から4号機、構内のがれきの撤去作業は進み冷温停止状態は維持しているものの、1号機の放射能飛散防止のカバーを取り外し現れたがれき撤去はこれから。使用済み燃料も1号機から3号機までの取り出し、溶け落ちた燃料デブリの取り出しは今後、相当の時間がかかります。

第1原発構内視察前に旧エネルギー館で概要説明

汚染水対策では、1日120m3の地下水の流入があり、ウエルポイントなどからのくみ上げが20m3、セシウム吸着装置サリーやキュリオンでで処理をして210m3は燃料の冷却、そして140m3は貯蔵タンクにたまり続けます。現場作業員の安全をお願いしたい。

第1原発構内全景写真での説明
第1原発1号機。飛散防止のカバーを取り外し、がれき撤去後、使用済み燃料の取り出し、溶け落ちた燃料デブリの調査が宇宙線により行われている。圧力容器からはすべて溶け落ちていると言われている、
第1原発2号機。爆発は免れ、建屋はほぼ原形。核燃路用は溶け落ちており、ロボットを投入してデブリを調査中。建屋は上半分を撤去し使用済み燃料取り出しを行う。
第1原発3号機。使用済み燃料取り出しのためにカバーを取り付けが行われる。
廃炉が決まっている第1原発の5号機と6号機。今後1号機から4号機の廃炉作業の模擬施設として使われる。
汚染水を貯蔵する溶接タイプの貯蔵タンク。汚染水が漏れ出すなどのトラブルを起こすボルト締めタイプから順次繰り替えているが、まだボルト締めタイプが残されている。

第2原発は、防護服に着替え4号機の格納容器内、圧力容器の真下まで入り制御棒などを駆動する装置を視察しました。第1原発2号機に投入したロボットが通った同様の経路を第2の4号機で確認しましたが段差があり格子状の床であり、相当な困難を伴う作業だと感じました。震災時は津波が押し寄せ、電源喪失が起きたものの非常用電源で事故は免れました。第2原発廃炉は県民の願い、国、東電は決断すべきです。

福島第2原発視察の事前説明を受ける
第2原発4号機、原子炉建屋内の使用済み燃料プール。使用済み2436体、未使用80体を保管。燃料プールは使用率91%でほぼ一杯。1号機から3号機もほぼ同様。
4号機燃料プールを視察する県議団。
第2原発4号機の圧力容器下の制御棒の駆動装置。
第2原発事務本館前での全員の写真