今回の知事選挙では、「みんなで新しい県政をつくる会」の町田和史さんは、安倍政権、現知事への批判を集め奮闘しましたが残念な結果となりました。選挙結果は、内堀雅雄知事が再選されました。
「つくる会」町田和史さんの訴えは、県民の願いから出発して明快でした。「原発ゼロ」を福島県から発信する。トリチウム汚染水の海洋放出は認めず、タンク保管を継続する。学校給食費の無料化。中小企業・小規模事業者支援。個別支援制度の復活を求め農林業支援。医療介護の充実など。安倍政権の悪政にハッキリものを言い、県民生活を守る防波堤の役割を果たすと訴えました。行く先々で訴えを耳にした県民の皆さんから大きな期待の声が寄せられました。
一方、内堀知事は、安倍政権が押し付けてくる2020年までに原発事故も被害も終わらせようとするやり方をそのままに、帰還困難区域の仮設、借り上げ住宅の無償提供の打ち切りなど県民、避難者への支援の打ち切りを進める姿勢です。知事選でのマスコミアンケートで、安倍政権を評価するかの質問に、知事は「評価する」と答えるなど、憲法9条改悪、消費増税など悪政への批判の姿勢はありません。トリチウム汚染水問題でも、海洋放出に「どちらともいえない」、モニタリングポスト撤去でも「反対といわない」など、多くの県民の立場に立てませんでした。
また、県が復興の目玉に掲げるイノベーション・コースト構想は、大企業呼び込み型で、廃炉研究、水素、医療機器の開発、石炭火力発電の推進など大型プロジェクト中心、大規模工事中心です。南相馬商工会の調査では、77%の地元事業者が「効果がなかった」「あまりなかった」と答えています。まさに、地元業者置き去りです。
復興のさなかにある中で、県民の思いに寄り添わない国の施策をそのまま持ち込むやり方は問題です。しかし、知事は、「慎重に丁寧に県民に説明を尽くし進めてほしい」と繰り返すばかりでした。
今回の知事選の結果は、現職知事の前に「つくる会」や党が十分力を発揮できた選挙にはなりませんでした。しかし、県民の思いや願いは、県民主体の復興であり暮らし応援の政治だという事がはっきりとわかりました。県民の思いに寄り添う県政の実現のために力を尽くします。